言葉は、世界を別の可能性で開く。

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047

明日、海戦は起こるか——未来の偶然と決定論

「明日、海戦が起こる」という文は、いますでに真か偽か。もしそうなら、明日のことはすべて必然で起こり、思案も準備も無意味になる。『命題論』第9章、論理学史でもっとも議論された一章。アリストテレスの答えは——選言の全体は必然、どちらの項もまだ未定。

046

肯定と否定、全称と特称——「対立の四角形」の起源

「すべての人間は白い」と「どの人間も白くない」は、同時には真になれないが、同時に偽にはなれる。「すべての人間は白い」と「白くない人間がいる」は、必ず一方が真で一方が偽。アリストテレスが第7章で整理したこの関係が、中世論理学の「対立の四角形」になった——そして現代論理学ではその一部が崩れる。

045

真偽が宿るのは「主張文」だけ——祈りは論理学の外

「雨が降っている」は真か偽になる。「雨が降りますように」はどちらでもない。アリストテレスは、文のうち真偽をもつもの——主張文(アポファンティコス)——だけを論理学の対象とし、祈り・命令・問いを修辞学と詩学へ送り出す。「命題」という単位が、ここで生まれる。

044

名詞と動詞——動詞は「時」をいっしょに示す

「健康」は名詞、「健康である」は動詞。違いは何か。アリストテレスによれば、動詞は意味に加えて「いま在ること」——時——をいっしょに示し、つねに「何かについて言われるもの」の記号である。文を組み立てる二つの部品と、両者を結ぶ「=である」の謎を、原文から。

043

「取り決めによる」——アリストテレスがクラテュロスに与えた答え

名詞の定義に、アリストテレスは一語を差し込む——「取り決めによって」。自然によって在る名前は一つもない。けものの鳴き声は自然に何かを表わすが、名前ではない。プラトンが保留した二択に、弟子はノモスの側で決着をつけた。それが2000年の主流になる。

042

アリストテレス『命題論』を読む——ことばは「取り決めによる記号」、真偽が宿るのは文だけ

プラトンが未決のまま残した「名前は自然か取り決めか」に、弟子アリストテレスは短く答えを出す——ことばは取り決めによる記号だ。そして真偽は語ではなく、語を組み合わせた「主張文」にだけ宿る。『オルガノン』第2書、14章の緻密なエッセイを、ギリシア語原文とやさしい図で。

041

名前からは真理を学べない——『クラテュロス』の結末とイデア論

音のまねだけでは名前は成り立たない、と認めたソクラテスは、取り決めを議論に戻す。そして自然説の核心を突く——最初の名づけ手には、手本にする名前がまだ無かった。ならば知は名前の手前にある。対話は、変わらぬ「美そのもの」へと踏み出して閉じる。

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01—08
01

意味

言葉はいかに意味するか

02

言語と思考の境界

03

社会

会話がつくる共同体

04

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誰が意味を決めるのか

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