ソシュール原典を読む
『一般言語学講義』の重要箇所を、フランス語原典から2段落ずつ引用し、ToL訳をつけて解説する7本。記号、線条性、連辞と連合、不変性と可変性、文字、内的言語学、そして『講義』は誰が書いたのか。
シニフィアン・シニフィエとは? 原文で読むソシュールの「記号」の定義
「言葉は物の名前」ではない、とソシュールは言う。記号を「概念」と「音のイメージ」の結びつきと定義した原文を、ToL訳つきで読み、signifiant/signifié という用語が何のために作られたのかを、日本語の例で確かめる。
なぜ言葉は「一列」にしか並べられないのか? 原文で読むソシュールの「線条性」
二つの音を同時に言うことはできない。この当たり前の事実を、ソシュールは「記号の第二の原理」とし、言語のしくみ全体がそれに依存すると言った。原文を ToL訳つきで読み、語順・助詞・文の切れ目の曖昧さまで、日本語で確かめる。
言葉の「並ぶ関係」と「思い浮かぶ関係」は何が違うのか? 連辞関係と連合関係を原文で読む
文は、語が横に並んでできる。同時に、語は頭の中の仲間と結びついている。ソシュールは、この二つを「連辞関係」と「連合関係」と呼んだ。原文を ToL訳つきで読み、「読み直す」「教える」などの日本語で、二つの見分け方を身につける。
言葉は私たちの自由にならないのに、なぜ変わるのか? 「不変性と可変性」を原文で読む
「犬」を今日から「ネコ」と呼ぼう、と決めても通じない。それなのに、言葉は数百年のあいだに大きく変わる。ソシュールは、この一見矛盾した二つの事実を、「同じ原因の表と裏」だと見た。原文を ToL訳つきで読み、「やばい」の意味変化で確かめる。
文字と言葉は別のものか? ソシュールが「写真と顔」にたとえた、文字の錯覚を原文で読む
文字は言葉の記録にすぎないのに、いつのまにか、文字のほうが「本物」に思えてくる。ソシュールは、これを錯覚だと言い、「顔を知るのに写真を見る」ことにたとえた。原文を ToL訳つきで読み、日本語の表記と発音の食い違いで、その意味を確かめる。
言語学は何を調べ、何を調べないのか? チェスのたとえで読む「内的言語学」と「外的言語学」
方言の分布や語の由来を調べるのは、言語学ではないのか。ソシュールは「外的」と「内的」を分け、チェスの駒の素材と駒の数でその境目を示した。原文を ToL訳つきで読み、日本語の例で、自分で見分ける基準を身につける。
『一般言語学講義』は、ソシュール自身が書いた本なのか? 編者の序文を原文で読む
『講義』は、ソシュールが生前に出版した本ではない。没後、弟子たちが三回の講義の受講ノートから「再創造」した本だ。編者自身の序文を ToL訳つきで読み、『講義』をどう引用し、どう読めばよいかを整理する。